なかなか妊娠しないのは、もしかしたら何か原因があるかも。
体からの危険なサインを見逃さないで。
不妊治療は夫婦二人で向き合って
結婚して数年たつのになかなか赤ちゃんに恵まれない・・・と悩んでいる人は少なくありません。
結婚し、避妊しないで性生活を送っている場合で、2年過ぎても妊娠しないなら、何らかの「不妊原因」があると考えた方が良いかもしれません。
「不妊症」というのはちょっとした体のメカニズムのズレから妊娠しにくくなるもの。
夫婦二人の体が関係しているので、不妊の原因を知るためには様々な検査が必要です。
年齢という壁
40歳前後までは年齢に関係なく妊娠できると考えている人も多いようですが、女性の妊娠能力と加齢の問題は密接に関係しています。
女性の妊娠能力は、20代前半にピークを迎え、20代後半から徐々に低下して、30代後半から急激に低下します。
40代以上になると妊娠率は5%にまで減少してしまいます。
このように不妊に悩むカップルにとって、加齢は大きな問題となっているのです。
女性の卵子に数は生まれたときから決まっています。
卵子数は加齢とともに確実に減少していくので、加齢は妊娠の大敵と考え、将来設計をしっかりと立てておくことも大切です。
妊娠しやすい体をつくるために、まずは夫婦の日常生活を見直してみましょう。
生活習慣の中に不妊の原因となる要因が潜んでいる可能性があります。
生活習慣を改善する程度で済む軽い不妊症なのかどうかの判断は、医師にとっても難しいもの・・・。
チェックテストを活用して、不妊の危険因子を探ってみましょう。
チェック1.月経の周期は正常ですか?
月経に関するあなたの状態をチェック!
- 月経の周期が20日よりも短い、または40日より長い
- 月経痛がある
- 月経中に鎮痛剤を飲むことがある
- 月経の量が多すぎる、または少なすぎる
YESの数が1~2個・・・生活習慣を見直して!
3個・・・一度、婦人科医に相談を!
4個・・・不妊専門医への相談が必要!
月経の周期は28~32日が一般的
数日のズレがあっても、だいたい同じサイクルで月経がくれば問題はありません。
注意すべきなのは、
- 「ひと月に2度くることがある」という月経周期が短すぎる場合
- 「月経はあるけど2~3か月こないときがある」など月経周期が長すぎる場合
20日以内の短い周期で月経がくる場合は、「頻発月経」といって、ホルモンの分泌異常や、排卵が行われていないのに月経が起こる無敗卵ん月経の可能性があります。
反対に月経周期が40日以上と長い場合は、「揮発月経」といいます。
ホルモン分泌異常や無敗卵月経の可能性があるだけでなく、脳下垂体の機能や黄体機能に異常があるケースもあります。
普段から基礎体温表をつけて、自分の月経周期を確認しましょう。
35歳前後の月経痛に注意
月経のたびに会社を休んだり、動けないほどの痛みを感じたる場合は、重度の月経痛といえます。
特に、35歳前後から急に激しくなったという場合は注意が必要です。
不妊症の大きな原因である子宮内膜症は激しい月経痛が特徴です。
それ以外にも、子宮筋腫などが原因の場合もあるので、痛みがひどい場合は早めに受診しましょう。
月経血の量にも注意して
量がが少なすぎる、または月経が1日で終わってしまうという場合は、「過少月経」と呼ばれ、子宮発育不全やホルモン分泌異常、無敗卵月経の可能性があります。
いずれも妊娠の妨げとなります。
一方、量が多すぎる、または月経が1週間以上続く場合には「過多月経」といって、子宮筋腫や無排卵が原因になっていることがあります。
まれに、少量の出血が何日も続くような場合には、月経ではなく不正出血である場合も・・。
この場合が子宮のポリープや筋腫、がん、クラミジア性感染症の可能性があります。
急に月経量血の量が変化した場合は注意が必要です。
早めの受診を心がけてください。
チェック2.おりものの様子はどうですか?
おりものに関するあなたの状態をチェック!
- おりものの量が多すぎる
- おりものの匂いが強い
- おりものの色が濃い黄色また、または白くてボロボロ
- 急激におりものの量が増えた
YESの数が1~2個・・・一度、婦人科医に相談を!
3~4個・・・性行為感染症の可能性があります!
おりものって?
おりものは、子宮頸管、膣からの分泌物で、膣内の雑菌が入るのを防ぐ役割があります。
雑菌に感染して炎症が起こると、においや色が変化します。
おりものの変化によって、女性特有の病気を自分で発見することができるのです。
量やにおいが気になる人は注意
おりものは排卵期になると自然に増加するものです。
これは精子が侵入しやすいよう、頸管粘液が普段よりも多く分泌されるためです。
しかし、それ以外の時は下着が不快なほど濡れていたり、急激に量が増えた場合は、何らかの異常がある可能性が高いです。
子宮頸管や膣の病気が原因である場合あります。
正常なおりものはほとんど無臭です。
匂いが強い場合はトリコモナス膣炎やカンジダ症などの性行為感染症にかかっている恐れがあります。
性行為感染症は放置してしまうと不妊の原因を引き起こします。
一度は治ったと思っても、再発する恐れもありますから、完治するまでしっかり治療を続けることが大切です。
色の変化もチェックしよう
普段のおりものの色は無職か白です。
下着などの付着して黄色になったという場合を除いて、おりものが濃い黄色や膿のような色、血が混じった色をしている場合は要注意です。
性行為感染症や、膣炎、筋腫などの病気の可能性があります。
ただし、排卵期のおりものにまれに血が混じることがありますが、これはエストロゲンというホルモンの影響なので心配はありません。
むしろ排卵が順調に行われているサインです。
また、白くて豆腐のカスのようにボロボロしているおりものや、泡立ったようなおりものも注意が必要です。
少しでも変だなと思ったら、迷わず婦人科を受診しましょう。
チェック3.中絶・流産の経験がありますか?
中絶・流産に関するあなたの状態をチェック!
- 中絶の経験が2回以上ある
- 中絶したときの胎児の月齢が4か月以上だ
- 不育症と診断されたことがある
- 3回繰り返して流産した
YESの数が1~2個・・・一度、婦人科医に相談を!
3~4個・・・不妊専門医への相談が必要!
中絶・流産の回数が問題
中絶回数が多いと、その後妊娠で自然に流産してしまう可能性が高くなります。
また、胎児の月齢が高くなってから中絶手術を行うと、母体にダメージが残ることがあります。
掻爬術(そうはじゅつ)により、子宮内あるいは卵管で炎症を起こして卵管閉鎖になったり、子宮内で癒着を起している場合があります。
また、一度の流産なら「自然流産」といって、心配はいりませんが、自然流産が3回続いた場合、これを「習慣流産」と呼びます。
流産を2回経験し、早産や死産をしてしまう場合は「不育症」と呼ばれ、ともに近年増えている症状です。
原因には様々なものがありますが、早めの治療が望ましいでしょう。
チェック4.体の調子はどう?
体の調子に関するあなたの状態をcheck!
- 最近10kg以上減量した
- よく貧血を起こす
- 極度の冷え性
- 妊娠していないのに乳汁が出る
YESの数が1~2個・・・生活習慣を見直して!
3個・・・一度不妊科医の相談を!
4個・・・不妊専門医への相談が必要です。
過度なダイエットは危険です
ダイエットや、拒食症などによって、短期間で10kg以上も体重が減ると、脳のホルモン分泌機能に異常が生じたり、月経不順や無排卵月経を起こす可能性があります。
妊娠を望む場合や健康としては無理な急激に体重が減るようなダイエットは控えましょう。
貧血や冷え性も不妊の原因に?
貧血症状は血液中の血色素の量が足りない場合や、自律神経のバランスのくずれが原因で起こります。
注意したいのは、貧血に加え、
「生理痛がひどく、月経血の量もおおい」
という人です。
また真夏でも腰や手足が冷たい、という極度の冷え性の人も注意が必要です。
特に骨盤内の血行がよくないと、代謝障害や排卵障害、月経不順を招く恐れがあります。
さらに、妊娠していないのに乳汁が出る、という人は高プロラクチン血症によるホルモン異常が疑われます。
心当たりがあるひとはすぐに診察をを受けましょう。
さらに詳しくという方は下記リンクをご覧ください。
あなたは不妊症?正しく妊活できてる?妊娠しやすさと不妊症の原因Q&A