皆さん不妊治療をすでに実践されている方もいると思いますが、これから不妊治療を始めようとする方にとっては、とても分からないことばかりでとても不安になっちゃいますよね。
まずはタイミング法など話を聞きますが、それでいいのかなぁとか、他に方法はないのとか、できるだけ自然な形でタイミング法で妊娠したいと思われるかたもいらっしゃると思います。
今回は「タイミング法だけで不妊治療をできるの?」かを解説いたします。
是非最後までご覧ください。
タイミング法だけにこだわらず、いくつかの方法を検討してみる
不妊治療は、患者さんご夫婦の希望に沿って進めるものです。
なかには排卵誘発剤を使用したり、卵子や精子に人工的な処置をすることに漠然とした不安を感じて、「なるべく自然な方法で」と希望する方も少なくないようです。
けれども、避妊をせずに性交渉をもっていても妊娠しないカップルは、妊娠しにくい何らかの原因をもっています。
妊娠という目標に向かって治療をしていくのであれば、ひとつの治療にこだわらず、ご夫婦に必要な治療を選んでいただきたいと思います。
実際に、大きな不妊の原因がなければ、自然に近い「タイミング法」から治療を始めることができますが、重要な検査は受けておく必要があります。
そのうえで、5~6周期を挑戦しても妊娠しない場合は、次の治療法へとステップアップしておくことも必要です。
あらかじめ各治療法について理解し、ご夫婦で治療の進め方を話し合っておくことが大切です。
一般不妊治療には、主に
- 「タイミング法」
- 「排卵誘発法」
- 「人工授精」
の3つがあります。
♦タイミング法
タイミング法とは、女性の排卵時期を確認し、それに合わせて性交渉をもってもらう方法です。
男女ともに主な不妊原因がない場合が対象です。
女性に排卵時期に医療機関を受診してもらい、主に超音波検査で卵胞の発育を確認します。
通常、卵胞は1日当たり1~2mmずつ大きくなります。
そして卵胞が2㎝くらいになると排卵が近いと判断します。
必要に応じて尿や血液を採り。ホルモン検査を行うこともあります。
排卵が近いと確認できた時は、性交渉を毎日、または1日おきに行います。
ここで注意してほしいのは、基礎体温や超音波検査などは、おおよその排卵時期を予測するものなので、正確な排卵日がわかるわけではないことです。
排卵日を待って交渉を行うのではなく、「排卵日の頃に毎日交渉をもつ」ほうが、妊娠率は高くなります。
なお、超音波検査の結果がわかるまで禁欲するというのは、かえって妊娠率を下げてしまいます。
検査まで排卵を待っているだけでなく、検査をまたずにどんどん交渉をもってください。
禁欲期間が長くなれば長くなるほど妊娠はしにくくなります。
精子的にも死んだ精子がたくさん混ざった古い精液よりも、多少薄くても新鮮な精子のほうが妊娠しやすいのです。
狙いをつけるタイミング法よりも実際には、毎日交渉ををもつ方の妊娠率が高いので、最近では「タイミング法」は重視してないようです。
排卵誘発法
排卵誘発剤を使って排卵を促す方法です。
女性に排卵障害がある、高温期が短い「黄体機能不全」、タイミング法で妊娠しない、といった場合にこの治療法が進められます。
排卵誘発剤では、まずクロミフェン、セキソビットなどの飲み薬を使用します。
月経3~5日日頃より、5~7日間内服します。
これを使用すると卵胞の成長速度が速まり、排卵される卵子の数も2個、3個と増えることがあります。
胎児妊娠のリスクはありますが、内服薬ではそれほど高くなる5%程度です。
飲み薬では効果が得られない場合は、排卵誘発剤を注射で投与します。月経3~5日目から5~10日間、1日1回MHG(FSH)注射を行います。
注射による排卵誘発は、飲み薬よりも強力に卵胞の発育や排卵を促します。
ただし卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠のリスクもあるため、十分に注意しながら使用します。
人工授精
精子の状態が悪い時や、性交渉が思うように持てない場合、タイミング法で妊娠しない場合は、人工授精が進められます。
またこれからの一般的不妊治療で妊娠しない場合や女性の年齢が高いときは、「体外受精」も治療の選択肢になります。