【キングダム】河了貂(かりょうてん)大切な人の側にいるために軍師の道を選んだ河了貂
楊端和に滅ぼされた一族「梟 鳴(きゅうめい)」の生き残り?
結論から申しますが『キングダム」メインキャラのうち、漂(ひょう)と河了貂(かりょうてん)は実在の人物を元にしていないオリジナルキャラクターです。
漂(ひょう)は信に夢を与えた導き手ですが、河了貂(かりょうてん)の立場はなかなか複雑です。
初登場は第1巻のページ。
梟のような、面白いお面をかぶった姿でした。
当時の河了貂(かりょうてん)は黒卑村で見張りのようなことをしていて、旅人の存在を村のならず者たちに教えては、その褒美で日銭を稼いでいました。
漂の遺言に従って黒卑村にたどり着いた信は完全に異質でしたから、河了貂(かりょうてん)に目をつけられたのです。
とはいえ、そこら辺のならず者に信が負けるわけもなく返り討ちにされ、河了貂(かりょうてん)は信を呆然と見送ります。
再登場したのは第1巻138ページ。敵に囲まれた信と政を抜け道に案内する、と申し出ました。
目的は、王である政から大金をせしめるため・・・
ここでようやく河了貂の名前と顔が読者と信、政に明かされたのです。
抜け道を経て昌文君との合流所に向かう間に、河了貂(かりょうてん)の事情少し明らかになっていきます。
「オレは素人じゃない はるか西の山民族だ」「なぜか知らないけど 一族が山を追放になって 黒卑村に流れ着いたらしい…もう皆 死んじまったけどね」
(キングダム第1巻145ページ)
その後、秦国の名君・穆公と山の民の交流の逸話を聞き、河了貂(かりょうてん)が感動して涙する様子も描かれています。
どうも、河了貂(かりょうてん)自身は物心ついたときから秦で育っていたため、山の民のことも、なぜ自分たちが山を降りたかもほとんど知らないようです。
一族が山を降りた理由は、政と同盟を結んだ山の民バジオウのセリフから判明しました。
「カツテ 山界ノ覇ヲ争ッテ梟 鳴(きゅうめい)。トイウ大勢力ト戦ッタコトガアル」「激シイ戦ノ末ラガ勝利シ 梟 鳴(きゅうめい)ハ絶エタ」「アノ子ハ 梟 鳴(きゅうめい)ノ生キ残リダ」(第5巻106~107ページ)
なんと河了貂(かりょうてん)の一族は楊端和に敗れた過去があったのです。
河了貂(かりょうてん)が言う
「一族が山を追放になった理由」
がこれでしょう。
楊端和は貂を迎え入れる準備があるとバジオウは言いました。
ただ、この申し出には疑問があります。山の民は河了貂(かりょうてん)を見たときに無反応でした。また、 成蟜(せいきょう)との戦いで負傷した河了貂(かりょうてん)に対しても、バジオウはシュンメンに
「時間がない……それにその者には構うなと 王から命をうけている」(キングダム第5巻3ページ)
と言っています。最初は無視していた河了貂(かりょうてん)を、なぜ楊端和は引き取ろうとしたのか。
河了貂(かりょうてん)の人となりを見極めてからだと考えていたのでしょうか。その対応には、少々楊端和の「らしくなさ」を感じてしまいます。
河了貂の祖父は死の間際に、何か言い残していたといいます。
ただ幼かった河了貂(かりょうてん)は、その内容を覚えていません。
もしかしたら、まだ山の民と梟鳴の間には謎が残っているのかもしれません。
なお、王弟反乱編の最後で河了貂(かりょうてん)が少女だということが(うすうす察していたであろう)読者に、はっきりと示されました。
【キングダム】河了貂(かりょうてん)軍師として信の隣にいることを選択
結局、河了貂(かりょうてん)は山の民とは行かず、信の側にいることを選択しました。
信や政と行動をともにしているうちに、河了貂(かりょうてん)が2人になついたからです。
幼い頃に祖父を亡くし、過酷な黒卑村でひとり生きてきた河了貂(かりょうてん)には、信や政と過ごす日々が楽しかったのでしょう。
昌文君を待ちながら
「ここで 三人でか……」(キングダム第2巻)
と夢想してみたり、政の周りに敵しかいないこ
とがわかると
「んじゃもー全部忘れて ここで静かに暮らしたら…」キングダム
と呟いたりもしています。
2人と離れがたいという名の気持ちが透けて見えます。
しかし、山の民の仲間にならず信と暮らし始めても、
信は
「大将軍になる」
という夢を追いかけてどんどん走っていきます。
河了貂(かりょうてん)が焦りや不安を感じるのも当然でした。
河了貂(かりょうてん)がこの不安を暴露したのは、政を暗殺すべく王宮を訪れた羌瘣(きょうかい)でした。河了貂(かりょうてん)は羌瘣(きょうかい)に
「大事な人が殺されたときに、そばにいられないのが怖い。だから戦場に行きたい」
と訴えます。
そうして、羌瘣(きょうかい)のアドバイスと推薦を受けて、名が選んだのが
「軍師」の道
だったのです。
信や政と逃亡生活を送っているときも、
「反乱あるの知ってたから 替え玉用意して黒卑村に隠れてたんだろ」
漫画キングダム
「知ってたんなら 未然にたたきつぶしゃいーでしょ」(漫画キングダム)
や
「400年も前のものが こんなにきれいに残るはずないよね」(漫画キングダム)
のように鋭いところを見せていますので、原先生の中で犯が軍師になることは最初から決まっていたのかもしれません(信が鈍感すぎるので、話を進める意味もあったかもしれませんが)。
少々話はずれますが、ギリシャ神話では梟(ふくろう)は知恵の女神アテーナーの象徴であり、梟(ふくろう)自身も知恵を象徴する存在とみなされます。
さまざまな物語で梟(ふくろう)が森の長老になっているのも、こういった由来からでしょう。
河了貂(かりょうてん)の一族「梟鳴」という名も梟(ふくろう)=知恵というイメージから来ているなら、やはり当初から貂に軍師の役目を担わせる予定だったと考えられます。
昌平君の軍師学校で学んだ河了貂(かりょうてん)は、離脱した羌瘣(きょうかい)に代わるように飛信隊に加わりました。
初戦で見せた作戦も河了貂(かりょうてん)の成長を見せつけましたが、やはり特筆すべきは合従軍編の万極戦でしょう。
ひどい混戦で隊がバラバラになってしまったとき、河了貂(かりょうてん)は危険を顧みず戦場に入りこんで散らばった隊員を集め、万極と対峙していた信のサポートに向かいました。
これで信は、周囲を気にせず万極との一騎打ちに集中できたといえます。ここにも「自分の知らない場所で信が死んでほしくない」という、河了貂(かりょうてん)の思いが見て取れます。
麃公(ひょうこう)将軍に指摘されたように、これから信には「本能型」武将の才能が開花していくのでしょう。
その信を、の知略がどこまでカバーできるのか。麃公(ひょうこう)将軍や蒙武(もうぶ)将軍を見ているとわかりますが、本能型の前には作戦や兵法といったものが無力化されてしまうことが多いので、『キングダム」において、河了貂(かりょうてん)がどれだけ存在感を見せられるのか。
これからの展開に期待しましょう。
【キングダム】河了貂(かりょうてん)本当に河了貂(かりょうてん)以外の生き残りはいないのか?
さて、実はひとり、気になる人物がいます。
それは呂不韋(りょふい)の企みを聞き、重症を負わされた向(こう)を助けるために大王直属の医師団が登場しました。
この医師団は、針や薬草の知識といった当時最高峰の医療技術を司っていた集団です。
女性ばかりなのは、おそらく後宮に出入りすることもあるからでしょう。
この中の一番小柄な女性、妙に河了貂(かりょうてん)に似ているように思えるのです。
もしかしたら河了貂(かりょうてん)の一族の生き残り、もしくは何らかの関わりがあった人物とは考えられないでしょうか。
梟 = 知恵のイメージで来ているなら、一族が高い知能を持っていた可能性もあります。
河了貂(かりょうてん)が軍師の路を歩んだように、医の路に進んだものがいたとしてもおかしくはないでしょう。
本当にこの医師が河了貂(かりょうてん)と関わりがあるなら、軍師だけでなく医術の技術と知識を学んで信を助ける。
そんな未来があってもいいかもしれません。
【キングダム】河了貂(かりょうてん)クイズ
河了貂CV:釘宮理恵. Comment. 秦国しんこく千人隊“飛信隊ひしんたい”の軍師。以前、刺客に狙われていた信と秦王・嬴政えいせいを逃がしたことをきっかけに行動をともにする。大きな目標に向けて突き進む信や嬴政を助け、ともに戦う ...
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